最近経済産業省のHPで2つの新しいエネルギー源が紹介されていました。

1)黒潮発電
大海流黒潮の流量は、地球上の全河川の合計の30~50倍といわれ、日本の沖では秒速1.5~2.0メートルにもなるそうです。この巨大なエネルギー源を発電に活用するのが「黒潮発電」です。重工大手のIHIとNEDOは浮遊式の黒潮発電システム「かいりゅう」を開発。2017年8月から鹿児島県の口之島沖で発電実験に成功。
「かいりゅう」は全長19メートルの円筒を3本横に並べた筏のような形。左右の円筒の後部にある直径11メートルの回転翼で発電する。自動的に深度や方向、傾斜などの姿勢を制御する。
実験では秒速1.5メートルの流速で100キロワットを発電した。実用段階では回転翼の直径が約4倍の直径40メートルとなり、2千キロワットを発電する計画。約30キロ四方の海に600機設置すれば、新型の原子炉1基分の出力(120万キロワット)に匹敵する。将来は九州、四国、紀伊半島、房総半島などの沖にそれぞれ設置すれば、原発の代替電源になる可能性もある。設置する海域は海岸から約40キロ、水深400メートルほどの場所を考えており、海底ケーブルで送電する。
30年ごろの本格的実用化を目指しているそうである。

2)褐炭水素プロジェクト
低品質な石炭である「褐炭」を、次世代エネルギーである水素の原材料として活用試みが褐炭水素プロジェクト。
水素は、エネルギーとして利用する際にCO2を出さないという特徴を持ち、次世代エネルギーのひとつとして期待されている。
この水素はさまざまな資源からつくることができるというのも特徴のひとつ。品質が低いなどの理由で利用されず埋蔵されたままのエネルギー燃料から水素を大量につくることができれば非常にメリットが大きい。
そこで進められているのが、NEDOによる「褐炭水素プロジェクト」。褐炭とは、水分や不純物などを多く含む、品質の低い石炭のこと。安全性や発電効率などに課題を抱えるため、採掘してもすぐ近くにある火力発電所でしか利用できないなど、利用先が限定されてしまっている安価なエネルギー資源。オーストラリアのビクトリア州には、こうした褐炭が大量に存在していると見られており、埋蔵量は日本の総発電量の240年分に相当する量だという試算もある。
「褐炭水素プロジェクト」では、①褐炭から水素を含むガスをつくる「褐炭ガス化技術」、
②液化した水素を長距離、大量に輸送する技術、③液化した水素を荷役(港で船からあげおろしすること)する技術の実証を行っている。
このプロジェクトの事業主体は、川崎重工業、電源開発、岩谷産業、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構。オーストラリア連邦政府およびビクトリア州政府の協力を得て2015年から6年間にわたっておこなわれている。
2018年現在は、水素製造に必要な機器の製作、液化水素を輸送するのに必要な特殊な船の製造などが進められている。
予定では、2020年には実証運転がおこなわれることとなっている。

さらに、追加として核融合発電。こちらは文科省の所管で「ヘロヘロおやじの暇つぶし」シリーズの第一回目でとり上げたテーマ。
2007年にフランス・カダラッシュで建設の始まった国際熱核融合実験炉ITER。
計画では、2025年12月に運転を開始して、核融合運転は2035年12月を予定。発電実証行われず、ITERで核融合エネルギー利用の科学的・技術的実証がなされた後、原型炉における発電実証段階となる予定とのこと。
こちらは、ヘロヘロおやじが生きているうちに運転が開始されるか微妙な感じですが・・